LES AMOURS IMAGINAIRES
102分 カナダ


監督 グザヴィエ・ドラン
出演 グザヴィエ・ドラン モニア・ショクリ ニールス・シュナイダー など





親友のマリーとフランシスは、同じ友人、二コラを好きになってしまう。
思わせぶりな態度をとる人たらしな二コラ。
マリーに協力してると見せかけるフランシスと、うすうすフランシスの気持ちに気付きつつあるマリーは、お互いに監視しながら、相手の見ていないところでポイントをあげようと、奔走します。


あらすじはこんな感じ。
あらすじだけ見るとふつうっぽいですよね。

先に言っておくと、マリーが女、フランシスが男、二コラが男。
男女で一人の男を取り合うんですね。
でも、今回はゲイだからどう、みたいなドラン映画ではないです。

これは、恋に落ちる瞬間と、恋してる瞬間を丁寧に描写した映画です。


グザヴィエ・ドラン監督は大好きでほとんどの作品を観てるんですが、彼の何がすごいって、他の監督だったら5分で終わらせて次のシーンに移りそうな感情を、一本の映画で撮るところだと思います。LGBTの愛を美しく、そして真実を残酷に描くところも、こちらを圧倒するいいんですけど、誰でも抱いたことのあるような感情を、言葉に任せずに、映像で丁寧にみせてくれる。



今回の作品も、愛というより「恋」を描いています。
わたしは、こんなにも恋してる瞬間をうまく描写した映画、観たことなかったです。
別に、胸キュンってわけじゃない。
二人が恋い焦がれている二コラが胸キュン行動を起こすシーンもない。
※ただ、二コラ役のニールス・シュナイダーが圧倒的イケメンで、人たらしな笑顔の持ち主なので、ただ笑って会話するだけでふたりの恋心に説得力が生まれてしまう、というのはある。…ある。

胸キュン映画とかって、自分も主人公と共に恋に落ちていくのが多いじゃないですか。これはそういうのじゃなくて、完全に第三者視点で、恋してる姿を見られるというか、恋している姿がリアルというか、観ていてこちらがむずがゆくなってくるというか…

二コラの誕生日に、マリーとフランシスがとびっきりオシャレして、気合いの入ったプレゼント用意して、にやにやがこらえきれない顔でパーティーに向かうシーンが大好きなんですよね…
これも観てるとほんっとこっちが恥ずかしくなるんですが…
二コラは己の魅力を理解していて、人に好かれるのが好きで、愛情を得たらポイみたいなあんまよくない男なんですが、この手のモテる人間のこともうまく描かれていると思いました。




最初にゲイ映画ってこととか関係ないから!みたいなこと書きましたが、よく考えてみたら、とりあうのが女と男だったからこその、駆け引きとかあったと思います。お互いのアドバンテージみたいな。

それに、目線は監督自ら演じるフランシス視点で物語は進むんですが、同性愛者でも異性愛者と同じような恋のしかたをするんだ、ということも伝わってきた気がします。好きになる対象が、男女かで違うだけですもんね。だからこそ、最終的に、私の中でゲイ映画っていうイメージが薄れていたんだと思います。やたら悲劇的にLGBTを描くことがなかったのもその原因かも。




もちろん映像センスも相変わらず炸裂しています!!
あと、ドラン監督のお得意な車内風景映像…
誰かを好きになったことのある人なら、どこかしらに共感しつつ、三角関係をドキドキして観れると思うので、難しく考えることなく観ていただきたいですね。おすすめです。