LA DEN RATTE KOMMA IN
115分 スウェーデン


監督 トーマス・アルフレッドソン
出演 カーレ・ヘーデブラント リーナ・レアンデション など



「もし私が女の子じゃなくても好きだと思う?」

「私を受け入れて。
少しでいい 私を理解して。」



学校でいじめを受ける少年、オスカー。
そんな彼の興味は、猟奇事件。
家では犯罪の本を読み漁ったり、殺人事件の新聞記事を集めたり…
常にポケットにナイフを忍ばせるものの、いじめっ子への仕返しはできずにいた。
そんな彼の隣の部屋に、少女とその父親が引っ越してきた。
孤独がちで、ミステリアスな雰囲気を持つ少女、エリ。
オスカーとエリは次第に惹かれ合っていく。
同じころ、街では逆さで吊るされ、血を抜き取られる事件が相次いでいた。


あらすじはそんな感じ。
どこまであらすじで書いていいのか悩むね!

「最高なのに、邦題が最悪」とちょくちょく話題になっていた今作。
みんなそれが言いたいだけでしょ…なんて嫌悪してました。
ヴァンパイアへの興味もないし。

でも、まぁ映画は最高らしいし?
一回くらいなら?
観てもいいかな?

って観てみました。
めちゃくちゃ美しい映画でした。



オスカーが美少年すぎる。

私これ事前情報なしで観たんですよ。
「最高だけど、邦題が最悪」「ヴァンパイアもの」以外の事前情報なしで。
だから、パッケージの神秘的なプラチナブロンドの子がヴァンパイアだと思ってました。
この子は少年のオスカーの方なんですね。びっくり!

アルビノかな?ってくらいの色素と、人形みたいな骨格がすごく美しい。オスカーはいじめられっ子なので、ちょくちょく追い詰められて、目を閉じて震えてるシーンがあるのですが、その姿が本当に天使みたいでした。洋物の美少年が好きな人は、見るべきです。当たり前ですけど、プラチナブロンドの子って、眉毛もまつげも同じ色なんですね。



白と赤の対比が美しい。

物語の舞台は、スウェーデンのストックホルム。
当然のように雪景色です。
そして、ヴァンパイアものですから、外せない血液描写。
この二つの色の対比が美しいです。
私が将来、ヴァンパイアもの映画を撮るなら、絶対に北欧で撮ります。





物語のテーマは、性別にも種族にも縛られない愛なのかなぁ。
と、思ってましたけど、原作を調べると、そうだったの!?ってなる部分がちょくちょく…
大事なところが日本版だとぼかされてますしね…!
私はあくまでこの映画はこの映画で、監督に解釈された独立したもの、として楽しみたかったので、あまり調べませんでしたけれど!

エリのヴァンパイア描写もよかったです。
美少女が口元血だらけにしてるから、成立しますよね。
下手したらホラーですもんね。
でも、空腹時のエリはちょっと怖い。
ちょっと実年齢がチラ見えしちゃう感じ。


私は少年少女の綺麗なヴァンパイアものだなー、くらいの感想でしたけど、性癖に刺さる人はけっこう多くいるんじゃないかなぁ、と思います。私もいろんなものに目覚めそうになったし。
血液とか。ヴァンパイアとか。美少年とか。アルビノとか。(オスカーアルビノじゃないですけど)


あと、ラストをハッピーエンドととるか、バッドエンドととるか、割れそうですよね。
私はハッピーエンド派かなぁ。

ちょっと下の方でネタバレ含む私的意見…









★★★




エリはどんなスピードで成長するのか知りませんけど、オスカーの未来の姿は、エリの父親(らしき人)になってしまいそうですよね。たまたま、いじめられていて、家庭の環境も悪くて、孤独だったオスカーは、エリに惹かれてエリについていくことを決めるわけですが…

でも、未来を予期してバッドエンドと見るのはナンセンスですよ。

プールで溺死するかもしれなかったところを救われ、いじめっこたちは倒され、地獄のような環境から解放され、愛するエリと街を離れる。このままオスカーはストックホルムにいたところで、幸せだったのか。味方もおらず、猟奇的趣味を持つ少年が、エリを選ばなかったらまともな人間になって、まともな人生を送れたのか。彼にとって、ストックホルムは離れるべき場所でした。エリの隣は、彼に与えられた最適な場所だったと思います。ふつうの人間としての幸せはもう望めないかもしれないけれど、オスカーはふつうではないから、これがハッピーエンドだったのです。


この作品観て、やっぱ映画って、いろいろな愛の形が見えて楽しいなーって改めて思いましたね。
既存の自分の価値観(人間として、日本人として、女として、異性愛者として)だけの愛を信じるのもすばらしいことだと思うけど、それとはまったくぶっとんだ愛と幸せを知ることで、人生って深みが出るなぁ~と思います。